2階リビングのメリット・デメリット
投稿日:|最終更新日時:
2階リビングについて
かつてリビングと言えば1階にあるのが当たり前でしたが、2階にリビングを構えるスタイルも増えつつあります。なぜ2階リビングが増えているのか、メリット・デメリットなどもあわせてチェックしてみました。
2階リビングとは
2階リビングとは文字通り、2階にあるリビングのことです。
かつては水回りや炊事のことを考えると、1階にリビングを置くのが「当たり前」でした。しかし、技術の進歩や価値観の変化など、数多くのメリットがあることから2階リビングの需要が増えつつあります。
2階リビングのメリット
2階リビングにはどのようなメリットがあるのかをいくつか挙げてみました。
プライバシーの確保
リビングはいわば「家族にとって憩いの空間」です。
特に親となれば、睡眠を除けば家にいる中でもリビングにいる時間が一番長いのではないでしょうか。
食事、一家団欒の際にはリビングで時間を過ごすことが多くなります。1階にリビングがあると、住環境次第では外からの視線を感じることもあるでしょう。人通りが多いエリアであれば、通行人も多くなるのが懸念点です。通行人としても決して家の中を見るつもりではないとしても、視界に家族の姿が入ってしまうケースもあるでしょう。
その点、2階リビングであれば通行人がうっかり家のリビングを見てしまうことはありません。周囲の視線を気にすることなく、リビングで生活できる点は、2階リビングだからこそ得られるメリットです。
眺めが良くなる
周辺の環境にもよりますが、目に飛び込んでくる光景は1階から見るより良い眺めとなるでしょう。
1階からの場合、どうしても平面になってしまったり、プライバシー対策のために植えた樹木が自らの視界を遮ってしまうこともあります。2階リビングであれば、それらも関係ありません。自然あふれる光景や街並みをより楽しめるのが魅力です。
天井のアレンジが自由になる
1階にリビングがある場合、2階にはそれぞれの部屋があるので、リビングの天井の高さはアレンジしづらいのが難点です。高くしてしまうと、2階の部屋に影響が出る可能性もあります。
しかし、2階リビングだと従来とは逆に1階に個室が構えられるので、リビングの天井の高さを気にする必要がありません。そのため、まるで吹き抜けのような開放感のあるリビングを作れます。1階ではできないようなアイディアも、2階であれば実現させることができるでしょう。
構造的な面でのメリットも
2階リビングにすると、1階には柱や壁をふんだんに使えるようになります。
1階リビングの場合、リビングにそれなりの広さが必要です。柱や壁を屈強なものにすればするほど、リビングのスペースが狭くなってしまうジレンマがあります。耐震性を考慮しなければいけないため、どうしても柱や壁のスペースは不可欠です。2階リビングであれば1階に柱や壁などを多く利用しやすくなるので、耐震性の強い家屋を建てられます。
広いリビングにできる
耐震性と似た話ですが、家屋は耐震性も考慮しなければなりません。デザインも重要ではありますが、あくまでも耐震性の方が優先順位的に高くなります。
1階リビングの場合、1階にそれなりの柱や壁をと思うと、どうしてもリビングを狭くせざるを得ません。特に耐震性を重視すればするほど、どこかを狭くしなければなりませんのでリビングにしわ寄せが出やすいのがデメリットです。
その点2階リビングであれば、1階で耐震性を備える分、2階を広々と使えます。1階では実現できないような広々としたリビングも可能になるため、広いスペースが欲しい場合におすすめです。
生活動線を確保しやすい
1階にリビングを用意する場合、柱や壁、さらには登り階段があるので、生活動線の確保にも気を付けなければいけません。
どうしても動線が狭くなってしまうこともあれば、壁や柱との兼ね合いから狭いスペースが生まれてしまい、人同士がすれ違うことさえ難しい部分もできてしまうでしょう。
その点2階リビングであれば、広々としたスペースが確保しやすくなります。
2階リビングのデメリット
2階リビングには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。デメリットとメリット双方を理解し、比較することが大切です。
毎日2階に上る必要性
1階にリビングがある場合、特に親御さんだと2階に上がる必要性が希薄なのではないでしょうか。1階にリビングと寝室があれば、1階だけで生活が可能になります。
しかし、2階リビングの場合は常に2階に上がることになるので、年齢と共に「2階に上がる」ことが負担になるでしょう。帰宅した際、リビングに用があった時はまず階段を上がることになります。買い物の荷物を持ちながら階段を上がることは、年齢と共に大きな負担になりかねません。
2階にリビングを設置するなら、階段の幅や手すりについても細かく決めておきましょう。老後のことだけでなく、万が一怪我をした際にも階段を上り下りしやすい設計にしておくと、利便性を確保できます。
家族間のコミュニケーション
2階リビングの場合、家族間のコミュニケーションについての懸念もあります。
子供部屋が1階になるので、例えば子供が帰宅したらすぐに1階の自室に入るでしょう。その際、帰宅したのかどうかさえ分かりづらいことになるかもしれません。家を出る際も、リビングを通ることなく外に出られるので、子供が知らない間に外出しているというケースも十分に考えられます。
結果として、家庭内のコミュニケーションが少なくなってしまう可能性に悩むかもしれません。食事の際は必ずリビングでというように、家族が集まるようにすればコミュニケーションを常にとれるでしょう。
来客・訪問者が来た時
基本的に、親は睡眠以外で家の中にいる時、リビングにいる時間が長くなるでしょう。2階リビングの場合は2階にいる時間が長くなることを意味しているので、訪問者・来客者が来た時、毎回1階まで出迎えなければいけません。
近年はネットで買い物する人も多いかと思いますが、その都度階段を下りて玄関まで出迎る必要があるので面倒に感じます。
庭が遠くなる
戸建ての魅力の一つに、「自分の庭」も挙げられます。
マンションにはないもので、庭で家庭菜園をしたり、何をするでもなく緑を見ているだけでも癒されるという方もいるでしょう。2階リビングの場合、2階から庭にアクセスすることができません。そのため、せっかくの庭も距離感が遠くなってしまい、「宝の持ち腐れ」になってしまうケースも。庭の雑草が生い茂り、庭の景観を損ねてしまうという事態も考えられます。せっかくの庭も、いつしか「リビングから見下ろすだけのもの」になってしまうこともあるようです。
防犯面の対策
2階リビングにすると、1階の状況が分かりづらくなります。
子供が帰ってきても分からないというデメリットもありますが、子供だけではなく、部外者が侵入しても分かりづらいのが難点です。
1階リビングであれば、不審者としても「リビングに誰かいる」となれば侵入を諦めるでしょう。しかし、2階リビングであれば1階部分には簡単に侵入できてしまうといえます。防犯の意識をより強く持つことが重要になりますので、それらを「面倒」だと感じる人にとっては、デメリットになってしまう部分です。
対策としては外に砂利を敷いたり、センサーライトなどを付けて置くのが良いでしょう。補助錠やシャッターを使うのもおすすめです。
家族が喜ぶ注文住宅!
高性能+αの住宅会社3社
※このサイトでは、一級建築士が所属し、断熱・気密性に優れた家を標準仕様としている住宅会社の中から、+αの特徴を持つ3社を「高性能+αの住宅会社」としてピックアップしています。断熱性は「ダブル断熱構造」「トリプル断熱構造」といった高性能な断熱構造を用いている、あるいは断熱性や防音性に優れた「セルロースファイバー」のような断熱材を標準としていることを条件に採用。また断熱性・気密性を高める樹脂窓の採用の有無も選定基準としました。